第4次スーパーロボット大戦ではコン・バトラーVダンクーガ、ザンボット3といった合体後に複数パイロットが乗るようになる機体のサブパイロットの台詞を反映させる機能はありませんが、以前作成したゲッターチームの仕様変更のシステムを応用すれば「F」以降のコン・バトラーVのように合体後専用の特殊台詞を反映させる事が可能であると判明しました。 具体的な手法は「特定のパイロットが特定の機体に搭乗している場合はSRAM上のパイロットIDを保持したままRAM上のパイロットIDを入れ替える」というもので、これは以前にも少し触れたハイパーモードや暴走システムの手法と同じものですが、これを応用すれば、例えばバトルジェット搭乗時の豹馬とコン・バトラーV搭乗時の豹馬のパイロットIDを個別に用意する事で異なる台詞パターンを適用できるという事も可能になります。また、同時に複数精神コマンドのサブパイロット適用パターンも変更できるため、非分離型のコン・バトラーVを用意するといった必要もなくなります。但しこの方法には欠点もあり、例えば敗北条件に豹馬の撃墜が設定されている場合にこのパイロットIDが合体前と合体後で別々であると、パイロットIDが合致しなくなってしまった途端に敗北条件を満たしてゲームオーバーとなってしまいます(これはハイパーモードや暴走の再現時にも当てはまる問題です)。そのため、台詞の変更のみに留めるのであれば特殊サブルーチンを組んで特定のパイロットが特定の機体に搭乗している場合は台詞の参照IDを変更(例えば、豹馬がコン・バトラーV搭乗の場合は通常の台詞IDではなく専用の台詞IDを参照)するという手法の方がいいのかもしれません。もっとも、シナリオ上での敗北条件を設定する際にそれら両方のパイロットIDを全て確認できなかった場合にのみ敗北とすれば問題はないので、あくまで好みの問題とも言えそうです。
海外のSNESエミュレーター制作者の方が発案した技術として「MSU-1ハック」というものがあります。SA-1チップに代表されるようなスーパーファミコンの特殊チップの一種として「もしもSFCの外付けCD-ROMユニットが製品化されていたら?」という仮定のもとにBGMやムービー等のファイルを外付けCD-ROMユニットに見立てたフォルダに格納し、これを架空の拡張チップ「MSU-1」を介して再生させるという手法です。存在自体はかなり以前から知っていたのですが、技術的にどんなものかよく分からなかったので今までノータッチという状態でしたが、発案者の方が作成された資料( https://helmet.kafuka.org/msu1.htm )に目を通して検証してみるとさほど難しい内容ではなく、簡単に言えば「これから再生するBGMを参照する際にSPCを指定する代わりに、音源ファイル用意してMSU-1チップで再生する形式に変換したPCMファイルのIDを指定し、ハードウェアレジスタンスによる命令でこれを再生させる」だけのようです。 BGM再生やSPCの参照に関しては「BGM継続パッチ」を作成する際に大部分を解析していますので、それを活用すれば意外と簡単にMSU-1を介したBGMのローディングや再生の環境が構築できそうですが、BGM用のPCMファイルを作成するにあたってCDや他のゲームから録音したBGMをソースとする事が非常に大きな問題になりそうです。しかし個人でこれを楽しむ分にはまあいいとして、配布するのは非常に危険な行為なのではないかという不安が付きまといます(自分で作成したMIDI音源ファイルなどをベースにしてPCMファイルを作成していれば特に問題はないと思うのですが…)。 なお、既に海外では第4次スーパーロボット大戦のMSU-1導入パッチが作成済み( https://www.zeldix.net/t2585-super-robot-wars-4 )のようですが、どうやらコミュニティの会員でなければ入手が不可能な仕様になっている模様なのでダウンロードする事ができず、具体的な内容に関しては全く分かりません。しかしMSU-1ハック発案者様の作成された資料をベースに、MSU-1によるBGMの再生環境を作成する事自体は可能であると思われますので、この環境の...